2017年2月の絵本



「だれのあしあと」 作・絵:accototo(ふくだとしお・あきこ)


「ゆきのひ」 原作:くすのき しげのり 文・絵:いもとようこ


「さむがりやのねこ」 作・絵:わたなべゆういち


「おにたのぼうし」 文:あまん きみこ 絵:いわさき ちひろ


 絵本の紹介

「だれのあしあと」

   2月、立春がすぎたとはいえ、寒さはピークです。山梨にも1mを超す大雪が1日で降ったのも、2月でした。さて、そんな雪の日を楽しむのに、とてもいい一冊です。
   「あれっ だれの あしあと」の言葉のあとに、足跡をつけた動物さんが出てきます。「あれっ だれの あしあと」という言葉を、読んでもらう子ども達が、読み手の後に復唱しながら読んでもらっている姿が浮かんできます。お母さん(ママ)のおひざにのって、一緒に「あれっ だれの あしあと??」と、言葉に出してみる楽しさ、ページをめくっていく楽しさ、それは、1・2歳児にとって大事な言葉の温かさを紡ぐひと時となります。
   そして、この絵本がすっかりなじみになってくると、「これ、よんでよんで」と、お母さん(ママ)にせがみながら、ページをめくるたびに、次に何が出てくるかをわかっていて、得意そうにお母さんに自慢するように、お母さんと一緒に読む(見る)のを楽しみにことでしょう。次を予想するという力もついていきます。そう書くと、絵本は子どもの学習の為にあるような言い方ですが、子どもに何かの力をつけることや育てることを目的として、絵本や本を読むのではなく、いろんな絵本や本を読むことで、子ども達の創造の世界が広がることが絵本の魅力です。絵本や本を読むことで、読み手や親や先生達が意図をもって読むのではなく、子ども自身が自分で力をつけていくことが、なによりも大事です。テストの学力のように、目に見えるものや見てわかるものが育つわけではありませんが、創造の世界の中で遊んだり、楽しんだり、心にいろんなものをためていくことで、豊かな心が育っていきます。親子の交流の時間が、絵本を読むことの一番目的と言っていいでしょう。小さい時に絵本をいっぱい読んでぜひ楽しんでください。

(作・絵:accototoふくだとしお・あきこ 出版社:大日本図書)